天平の甍 (井上 靖 著)
中国からの仏教伝来。日本から優秀な留学僧が唐へ渡り数十年もの勉強をする。もしくは写経を行う。そんな彼らが、経文が無事に日本に帰れる保証はない。当時の航海は困難を極め、多くの船がいたずらに海の底に沈めてられてしまう。何年もかけて写した経文も一瞬のうちに海の藻屑と化してしまう。そのようにして少しずつ多くの捨石により仏教文化が伝わって来たのである。
このような壮大な人間の歴史を想うと蟻のようなひとりの人間が自分のために知識を蓄えたり、自分のための満足感を味わう行為にどれほどの価値があろうかと考えてしまう。
by t-kashmir | 2012-02-04 11:00 | reading | Trackback

