〇歌行燈 監督:成瀬巳喜男、1943年、東宝、93分
・恩地喜多八(花柳章太郎 1939年『残菊物語』)、お袖(山田五十鈴)
【山根貞男のお楽しみゼミナール】より引用
・1943年当時、結婚に失敗した”ヤルセ・ナキオ”は渋谷・桜ヶ丘のアパートに一人住まいし、道玄坂の飲み屋で酒を飲む日々を送った。1951年の「銀座化粧」「めし」までのこの時期はスランプ期とのことだがこの作品は実に艶やかではないか?
・蓮實重彦先生は「成瀬は世界における最も美しい木洩れ日を撮っています」と語る。山田五十鈴が松林の中で舞い踊るシーンのこと。木漏れ日の世界ベストテンでは、第1位「歌行燈」、2位「最前線(アンソニー・マン)」、3位、4位は該当なく、5位に「羅生門」がくるという。文学では明け方までの月影だったが、映画では昼の稽古だったのか。
# by t-kashmir | 2024-03-18 22:30 | 日本映画